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  • 菊池 邦夫

「失敗しないための米国不動産投資」① プロローグ

最終更新: 2020年4月6日

 2020年4月、ようやく本書の執筆が終わろうとしている。しかし、年初来のコロナウイルスの影響が世界に甚大な被害を与えている。そして日本へのさらには米国への影響は計り知れない様相を呈してきた。影響が数年に亘る可能性も出てきた。本書に書いたことの一部が過去の話として全否定されるかもしれない状況になりつつある。今はじっと静観している時なのか、あるいは逆に今がコロナ後の世界のチャンスを見極める大事な時になるのであろうか。米国も日本も今日刻々と変わりつつある。

 しかし、どんな変化が起こっても、私は米国経済のファンダメンタルズを信じている。米国のアクションは早い。日本の国家予算の2倍超の財政出動をよくも短期に決定したものだ。多少の時間がかかることはあってもまたもとの軌道に戻れる日が来ると私は信じている次第だ。本書を是非短期的にではなく、中長期的に投資を考える参考資料としてご覧いただければ幸いである。


 昨今多くの海外不動産投資に関する書籍や広告、セミナーの案内を目にする。数年前までは海外不動産投資は、数少ない資産家層やたまたま海外に駐在するなどの機会に恵まれた方だけの隠れた投資であった。しかし、今多くの専門家、企業の努力により少しづつ一般的な投資となり始めている。日本人の投資の国際化は喜ばしいことだ。

 しかし、書籍やセミナーの多くは本当の海外不動産投資の意味やリスクを伝え切れているのか時々疑問に思う。また、投資をされている方の目的も短期的な節税に過度に偏ったり、十分な出口でのリスクなどを認識しないまま投資されてきた経緯が多いように見受けられる。私は本来、海外不動産投資は長期的な分散投資であるべきで、安全な資産に投資したらその投資資金を日本に戻そうなどとは考えないようお薦めしている。末代まで継承し、発生するインカムはその国の通貨として自身や後世の海外活動(旅行を含む)に活用することが望ましい投資と考えている。日本人が国際化するためにも。

 国際不動産スペシャリスト(CIPS)という資格がある。これは全米不動産協会(NAR: National Association of Realtor)が、不動産の国際間取引を推進するために、取引の基本に詳しいプロを養成しようという目的で認定資格として作ったものだ。4年ほど前から私はあるきかっけからこの国際不動産スペシャリストCIPS養成講座の講師を行なっている。もともと日本で初のCIPS養成講座講師の浅井稔先生から学んだのちに、先生とともに二人体制で講義を行なってきた。このコースは全米不動産協会が作成し、不動産の国際取引をすすめてゆくプロ向けに、国際不動産取引の基本を主要大陸の主要各国に分けて教えている。中でも米国不動産については不動産取引事情を客観的に伝えている。これを学ぶと、米国の不動産取引が取引の倫理性や情報開示という点でも相当優れていることがすぐにわかる。日本の投資家の皆様や不動産業に関わる方にその内容の一部をご披露することは、米国不動産投資の実際を客観的に情報収集し、米国不動産を俯瞰するという意味において重要と考えた次第である。  

 今多くの企業がSDGs(国連が推進する開発目標)が求める課題解決をビジネスチャンスと捉え始めている。この中では環境をはじめとするSustainability/サステナビリティー(持続可能性)を問題提起している。私は、企業や国家単位ではなく、家計や個人単位でのサステナビリティーを提唱したい。皆さんの自己資産のサステナビリティーを皆さんはどうお考えなのだろうか?投資は安全でなおかつ高いリターンが期待できればさらに良いものとなる。お金は安全なそしてリターンの高いものや場所に集まる原則がある。日本の国家や大企業はすでに米国資産を増やしており、対外純資産も大きくプラスだ。しかし、家計や個人、中小企業セクターではその原則をあまり顧みずに国内の資産に固執しているのではないだろうか?私は人口も経済も成長している米国の不動産に分散投資することが、家計・個人資産のサステナビリティーに大きく貢献することを声を大にしてお話ししたい。現在のような(2020年4月現在)混乱で先の見えない変化の時は、不安が先に立ち近視眼的になってしまう。しかし、今こそ歴史や経済のファンダメンタルズを再確認し、本当の長期・安全分散投資を考える時ではないだろうか。


 せっかくの機会なので、私の米国不動産に関わる拙い経験も合わせてお伝えしてみたい。特に私は米国不動産の小口投資に魅了されている。これまで米国不動産に関わったことのない方が手始めに取り組む手法として手軽で面白いと思う。このような投資があることをご紹介することで、多くの方々に米国不動産をより身近に感じていただきたいと考えている。さて、まずは私の米国不動産との出会いからお話しさせていただく。


2020年4月

菊池 邦夫




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