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  • 執筆者の写真菊池 邦夫

「失敗しないための米国不動産投資③」安全な実物資産投資に米国を選択する理由 

なぜ不動産投資を考えるべきか? 


 投資を考える場合は、期間(短期、中期、長期)と期待果実(流動性、安定性、収益性)がベースになると思う。そして不動産は短期、流動性の高い投資ではなく、どちらかというと中長期で、安定性(賃料収入)と収益性(キャピタルゲイン)がある投資だと言える。資金が比較的長期間固定されるため、現在のキャッシュフローの厳しい方にはあまりお勧めできないが、ある程度キャッシュフローに余裕のある方にとっては、株(どちらかというと収益性/キャピタルゲイン)、債券(どちらかというと安定性/期間収益)などと共に分散投資の対象に適していると言える。特に不動産投資は、現物の投資であるので、インフレ、デフレに対応できる投資と言われている。なぜなら、インフレになると物価上昇とともに不動産価格や家賃もあがる、相対的な価値に影響が少ないからだ。これに対して金融商品はインフレに弱いと言われており、投資した貨幣価値がインフレによって目減りするという事態が起こってしまう。

 さらに不動産には、節税に利用できるなどのメリットがある。金融商品にもそのようなものはあるが、節税色の強いものは当局の制限を受けるケースも増えている。つい最近の動きでも節税のできる保険商品に当局の大きな制限がかかった。また、2021年からは米国不動産投資に対する個人投資での節税対策に制限がかかった。もうひとつ考えるべきポイントとして、不動産は、多くの場合所有者である本人が主体的に投資をコントロールできる点があげられると思う。投資物件をリノベーションして賃料をあげるなどの方法は自分でコントロールできることの一例だろう。対して、金融商品はマーケットの状況に左右されることが多く、投資信託などの場合は特に投資家に組み入れ対象資産の選択権はない。その点ではコントロールしにくい部類の投資と言える。もっとも、それを含んだ上で投資商品を選択することと、その売り買いのタイミングにおいてコントロールすることはできるとも言える。一方で、不動産には換金化に時間がかかるなどのデメリットがあることは考慮するべきである。(図1参照)


 このような投資の特性をうまく考えてプロは分散投資を行なっている。分散投資は、リスクヘッジの一般的手法であるが、うまく運用管理することで、投資効率が上がると言われている。上記をまとめると、現在のキャッシュフローが厳しい方、近い将来にキャッシュが必要な方にとっては、不動産投資は必ずしも適切とはいえない。ある程度資金に余裕のある方、中長期的に資産形成をされたい方は、預貯金、株、債券などとともに不動産を含めた分散投資が望ましい。

 しかし、ここで金融が利用でき投資効率をレバレッジできる場合は話が違ってくる。2018年までの数年間は、日本の不動産では特に不動産融資が活発であったために、若年層の高所得者を中心に不動産投資活動も活発であった。これらの方々には年収は高くても必ずしも手元資金が潤沢な方ばかりではなかった。金融のバブルと呼ぶ人もいるほど不動産融資が活発で、不動産投資の様相を大きく変えた時期であった。米国の金融クライシス(リーマンショック)時代も不動産バブルというより金融バブルと言われていたのをご存知の方も多いと思う。


図1:不動産投資と金融商品の比較整理


 これまで話してきた分散投資の対象に米国の不動産を組み込むことを私はお薦めしている。この後、アメリカの不動産が安全な投資対象資産であることを政治/経済的優位性や将来性、様々な過去のデータなどからみてゆきたいと思う。


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